未来を見据えた取り組み「サステナブル」とは

最近、TV番組やCMなどでもよく耳にするようになった「サステナブル」という言葉。

企業や団体が掲げるSDGsへの取り組みに使われたり、世界的にも環境問題や資源保護の実現のために使われたりする言葉ですが、どういった意味を持つのかご紹介したいと思います。

サステナブルとは

サステナブルとは、「持続する」という意味の「Sustain」と、「可能な」「〜することができる」という意味の「able」からなる言葉で、「持続可能な」という意味を持ちます。

経済の発展とともに増加した地球環境への影響・自然環境の破壊を最小限に抑えることで、これからを生きる子供たちの未来に向けて、持続可能な社会を作っていく必要があります。

サステナブルな社会という使われ方も多く、「持続可能な社会」の実現として、世界規模で様々な取り組みが開始されています。地球への環境破壊を食い止めるため、大切な資源を有効に使い、未来を見据えた経済・社会の発展を目指しています。

サステナブルが注目されている理由とは

サステナブルが注目を集めている背景には、世界が抱える「地球環境」「社会問題」「経済成長」のあらゆる課題が存在します。例えば、産業の発展により大量生産・大量消費の世の中になりました。経済成長や先進技術の発展により、安価に物を手に入れられる豊かな時代になった反面、大量の廃棄物を生み出すことになりました。

また、石油や石炭、ガスなどの資源の大量使用、二酸化炭素の大量排出・土地の開拓や木材を得るための森林伐採などにより資源の枯渇・地球温暖化が進み、各国で異常気象が深刻な問題となっています。生活排水・工業廃水による海洋汚染や大量のゴミの廃棄など、今や地球環境の問題は人間だけでなく、生物の生態系全体にも影響を及ぼすほどになりました。

これまでの消費型の社会・経済では、いつか限界に達することが容易に考えられるほど、大きな問題まで発展してきています。こうした問題を解決するため、世界的にサステナブルな取り組みが行われるようになりました。

企業におけるサステナブルの取り組み

近年では、幅広い分野の企業が環境問題に取り組むようになってきました。これまでは、商品の製造工程や使用する原料などに対して、一つ一つ環境問題に配慮している企業は多くありませんでした。

しかし、サステナブルな社会実現が多くの企業で浸透してきたことから、これまでの生産工程を見直し、現在では環境へ配慮した生産を行う企業が増えてきました。

サステナブル経営という言葉も注目されており、ただ大量に生産して利益を得るのではなく、顧客や取引先、地域社会にまで目を向けた経営が必要とされています。

アパレル・ファッション業界におけるサステナブルの現状

アパレル・ファッション業界でも、近年特にサステナブルが意識されています。これは、ファッション産業が世界2位の環境汚染要因産業になっていることが大きな要因の一つだと思います。

衣服の生産だけでなく、リサイクルにかかるエネルギー消費量やCO2の排出量も決して少なくないため、大量生産による地球環境への影響はとても大きくなっています。また、売れ残った衣服や使い古した制服などの大量廃棄も環境問題に影響しています。

そんなアパレル・ファッション産業の「大量生産」「大量消費」「大量廃棄」を前提とした経済システムを脱却させ、調達や製品設計の段階から資源の回収や再利用を前提とした経済システムへとシフトさせることが、持続可能な社会の実現へと繋がっていきます。

実際すでに大手スポーツメーカーでは、リサイクル素材を使用した製品を開発したり、リサイクル素材を使って古くなった製品をリメイクしたりと、サステナブルな取り組みを推し進めています。

マテリアルリサイクルの実現

サステナブルな社会の実現には、生産工程での見直しが必要不可欠なのはもちろんのこと、生産した製品がリサイクルできるかどうかも、とても重要な要素になります。このような再利用するための取り組みに、マテリアルリサイクルという手法があります。

マテリアルリサイクルとは、使用済みの製品や材料を再利用して、新たな製品や材料に生まれ変わらせるリサイクル手法です。リサイクル前の製品と同じ製品にリサイクルすることもあれば、別の製品に生まれ変わることもあります。

弊社エコログ・リサイクリング・ジャパンは、20年以上にわたり、調達からリサイクルまでの全てのラインをカバーすることで、マテリアルリサイクルを実現するサービスを展開しています。

企画段階からリサイクルしやすい原料・資材及び、それらを使用した製品を提供するのみならず、不要となったアイテムは独自の技術でペレット(再生原料の細かい粒)に変換することができます。例えば、ボタンや中綿、芯地等の衣服の資材としての再生が可能です。

CO2の排出量比較

また、マテリアルリサイクルにより、ポリエステルへのリサイクルにおけるCO2の排出量がかなり削減できます。他のリサイクルと比較しても、CO2の発生量は20%以下に抑えられます。

マテリアルリサイクルについて、詳しくはこちらの記事でも解説していますのでぜひご覧ください。
SDGsの取り組みにも効果的な「マテリアルリサイクル」とは?

まとめ

サステナブルな社会の実現は、今や世界規模で取り組んでいくべき大きな問題です。日本企業もSDGsをはじめ、様々な環境問題に取り組み始め、アパレル・ファッション業界でもマテリアルリサイクルの重要性がとても高まってきています。

この先も美しい地球であるため、そして平和で豊かな未来を次の世代に繋げるため、今ある資源を大切に使い、世界中の共通課題として環境問題に取り組んでいくことが、サステナブルな社会の実現に必要だと考えます。